iOS版のGarageBandには設定を変えるだけで、変えたキーに音を変更する機能がついています。
曲の制作時に途中でキーを変えたくなった時、歌や楽器の練習時にキーが合わない時に簡単にキーを変更できます。
いくつか注意しておく点もあるので、見ていきましょう!
iOS版GarageBand : 「キー変更」のやり方
まずは基本的な、キー変更のやり方を見てみます。
画面右上の歯車の「設定ボタン」をタップ。
表示される2つのメニューから、「曲の設定」をタップして、設定画面に入ります。
画面を下にスクロールして下の「キー」をタップして変更します。
デフォルトではキーは「Cメジャー」になっています。
選ぶ項目は3つ。
- 曲のキーになる音
- メジャー/マイナー
- 曲のキーに追随
曲のキーになる音
そのまま、その“曲のキーになる音”です。
曲によって設定できるキーは1つです。
つまり、曲の途中で転調させる事ができません。
しかし、キー「Cメジャー」の設定でキー「Dメジャー」の曲を作っても問題ないので、転調したい場合は“演奏データだけ変えればOK”。
曲の途中で半音や1音転調したいときなどはリージョンの方にもトランスポーズ機能があるので、そちらを使うと便利です。
ソングを作ったら、まずはじめにキーを設定しておくと、後々キーを変更するのが楽です。
メジャー/マイナー
実はこのパラメータをどちらに変えても、“あまり影響がありません”。
例えば、「Cメジャー」の時…
「Cマイナー」に“キー”を変えてもノートに変化は起こりません。
つまり、「曲のキーになる音」を変えると、その分だけ“トランスポーズ”されるだけで「メジャー/マイナー」はノートの変化には関係ありません。
もし…
「Cメジャー」
↓
「Cマイナー」
としたい場合は…
「Cメジャー」
↓
「E♭メジャー」
…に変更して対処しましょう。
もう1つ注意点があります。
「Cメジャー」
↓
「Aマイナー」
上記のように変えてしまうと演奏データは、トランスポーズするため…
「Cメジャー」
↓
「Aマイナー」という表記の「Aメジャー」になる
…ということになってしまうのでお気をつけください!
メジャーマイナーの影響する場所
「メジャー/マイナー」を変えることで影響が出る場所は“コード演奏”のデフォルトのコードが変更されます。
なお、デフォルトからコードを編集してある場所は変わりません。
キーに追随
「キーに追随」を“オン”にすると、変えたキーに合わせてリージョンのノートが変更されます。
オフの時に“キーになる音”を変えても、ノートのピッチは変わりません。
これによって例えば、打ち込んだり録音した曲が「Gメジャー」なのに、曲のキーの設定が「Cメジャー」だったとしても、「曲のキーに追随」を“オフ”にしてから曲のキーの設定を「Gメジャー」に変えれば、曲のキーと実際の音をすり合わせる事ができます。
また、「曲のキーに追随」に関係なく“適応されないリージョン”があります
- ドラムやパーカッションなどのリズム楽器
- 統合したオーディオリージョン
- Appleループ以外のブラウザから読み込んだオーディオリージョン
オーディオリージョンでも“Apple Loops”と“GarageBandで録音したリージョン”は、キーに合わせてトランスポーズしてくれます。
iOS版GarageBand : 「リージョン」ごとにトランスポーズする
キーを変更する方法として、曲のキーを使わないでもトランスポーズをする事ができます。
リージョンをタップしてメニューの「設定」をタップします。
画面をスクロールするとトランスポーズという項目があります。
また、オーディオリージョンは「テンポとピッチに従う」が“オン”の時のみ「トランスポーズ」が表示されます。
「+」「-」をタップする事で、リージョン内のノートがトランスポーズしてくれます。
範囲は音源、オーディオで違います。
- 青:オーディオリージョンは1オクターブまで
- 緑:音源のリージョンは3オクターブまで
また、適応されないリージョンは先ほどの「曲のキー」より多くなります。
- 音源(Touch Instrument) : Guitar、Bass、String、Drums
- オーディオ : 統合したオーディオ、読み込んだオーディオ、リズム楽器
“音源のリージョンでもトランスポーズできないので”注意が必要です。
リージョンのトランスポーズの使用例
Popsなどでよくある、曲の最後に「半音」や「全音」転調する展開を作りたい場合は、セクションを複製すると簡単に作れます。
1.画面右上をタップ
まずは画面右上をタップしてセクションの設定が画面を開きます。
2.セクションをタップして複製
目的のセクションに合わせて、複製をタップするとセクションが作られます。
3.複製したトラックをトランスポーズ
セクションを複製した後はリズム楽器以外のリージョンをトランスポーズするば、完成です!
iOS版GarageBand : 「Live Loops」を使ってトランスボーズする
iOS版GarageBandでは「Live Loops」でも、個別にトランスポーズをかける事ができます。
画面左下の編集モードになるボタンをタップ。
トランスポーズしたい、セルをタップして「設定」を選びます。
あとは同様にトランスポーズをタップして、音を変化させます。
こちらの適応していないセルは先ほどのリージョンと同じです。
- 音源(Touch Instrument) : Guitar、Bass、String、Drums
- オーディオ : 統合したオーディオ、読み込んだオーディオ、リズム楽器
範囲も同じです。
- 青:オーディオリージョンは1オクターブまで
- 緑:音源のリージョンは3オクターブまで
そしてもうひとつ、こちらもリージョンのトランスポーズが可能です。
編集モードでセルをタップします。今度は「編集」を選びます。
すると、トラック表示のリージョンの画面になるので、リージョンでトランスポーズした時と同じ、リージョンをタップして、「設定」からメニューに入ります。
そこでトラック表示のトランスポーズと同じように操作する事ができます。「セル」と「リージョン」両方トランスポーズした場合、両方が適応されます。
『なんで、こんな2つもあるの?』と思うのですが、セルにはいくつもリージョンを配置する事ができます。
なので、セルでトランスポーズしてしまうと、いくつもリージョンがあった際、それぞれにトランスポーズをかけることができなくなってしまいます。
そのため、リージョンにもセルにもトランスポーズがかけられるようになっているのだと思います。
iOS版GarageBandでトラックをトランスポーズする
トラック単位でトランスポーズできるのは2つのTouch Instrument。
- 「Keyboard」
- 「World」
やり方は画面右上の歯車の「設定ボタン」をタップして、「トラックコントロール」を選びます。
トラック設定 > トランスポーズ
…と選びます。
「オクターブ」、「半音」タップで数字を変えてトランスポーズできます。
インサートエフェクトを使ってトランスポーズする
オーディオデータなどでトランスポーズできない物も「インサートエフェクト」を使えば、トランスポーズができます。
GarageBandにはインサートエフェクトとして、「AUNewPitch」というものがあります。
こちらはオーディオトラックにも音源のトラックにも使う事ができます。
歯車の「設定ボタン」をタップして、「トラックコントロール」を選びます。
スクロールすると表示される「プラグインとEQ」を選びます。
「編集」をタップして「エフェクト」ではなく「Audio Units機能拡張」の「AUNewPitch」を追加してください。
パラメーターは3つ。
- pitch scale
- overlap
- peak locking
「pitch scale」をスライドして音を変化させます。
※他のパラメータの機能は現在調査中です…。値を変えても変化はあまり感じないのですが、とりあえず触らないようにしています。
“100Cents”あたりが1音なので、1音あげたい場合は“200Cents”にします。
ただし、スライダーがものすごく扱いにくいです…。
まとめ
要点をまとめると…
- キー設定は最初に
- メジャー/マイナーは影響がない
- キーの追随を”オフ”にするとトランスポーズしなくなる
- リージョン単位でもトランスポーズ可能
- トラック単位でもトランスポーズが可能
iOSだと範囲選択するのが大変なため、設定で一度にキーを変えられるのは便利ですよね!
ボーカリストが自分のキーを探したりするのにも、キーを変更できるのは嬉しい機能ですよね。
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