ドレミファソラシドを歌ったり、考えたりするときに#(シャープ)♭(フラット)などの臨時記号が入る音。単にkeyからはずれた音を出すのも難しいですが、そもそも1音が長くてリズムにはまらないのだけど?という問題。
これの解決策とは…?
最初にサラっとまとめると…
- 臨時記号の音に1音の名前をつける。
- 海外のやり方だと日本人には難しい。
- 自分なりに変えて使ってみる。
それでは細かくみていきます!
#/♭が歌いにくい
まず、#や♭が入ってる音って単にピッチを変えた音を出すのも難しい。だけどそれ以前に「シャープ」「フラット」と言ってしまうとリズムに音がはまらない。
例えば、「ファソラシ♭ド」と8分音符で歌おうと思うと…
「ファ ソ ラ シフラット ドー」
「シフラット」とそこだけめちゃくちゃ速く歌わないと間に合わない…!
8分音符のリズムがあるので「シフラット」という5文字の音は入るわけないです。
「ドレミファソラシ」ってそれぞれが1音なのにそのまま臨時記号を入れて歌おうとすると歌いづらくなっちゃいます。
ただ…
「"別に♭言わなくていんじゃない?変わってるのが分かってれば..."」 「ファソラシ ドー」(シはフラット...と)
…という人もいるかと思います。
これはこのやり方でもOKです!
この場合は最初に書いたように歌う時に音のピッチ自体を♭させなければなりません。
このやり方ができる人はおそらく音楽の頭が出来上がっている人だと思うので、その場合はこれから紹介する方法はすでに必要ないかな?と思います。
ただ、これからスケール覚えたいって人だったり、なんとなく歌ったり覚えたりするのがやりにくいんだよなー…という人には便利な方法をご紹介します!
黒鍵に1音の名前をつける
さて、問題になる臨時記号がつく黒鍵の音。5つありますね…。
[ド#/レ♭、レ#/ミ♭ 、ファ#/ソ♭、ラ#/シ♭]
これを1文字、1音になる読み方をつけちゃいましょうということです。
「あ」でも、「い」でも、「う」でも、ドレミファソラシ以外の音であれば、なんでもいいのでは?
「ドあレいミファうソえラおシド」
はい、これで完成!
…個人的にはこれでもいいのですが、決まった方法がいくつかあるので紹介。
母音の変化
バークリー音大でも使われてるというやり方です。臨時記号のつく「ドレミファソラシド」の母音を変えるというものです。
まずは…
「ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド」
これは日本の読み方ですね。イタリア語に近い感じなんですが、英語の読み方に変えます。
「ド レ ミ ファ ソ ラ ティ ド」
シ が ティになります。
有名なサウンズオブミュージックの「ドレミの歌」でも「シ」ではなく…
「ti」はティー(お茶)のティ
…となっていますね。
そしてこの「ド レ ミ ファ ソ ラ ティ」をアルファベットで表示します。
「Do Re Mi Fa So La Ti」
ここまでが前提です。
#の音の母音を変化させる
次に「#」がつく音を変化させていきます。
それぞれの母音を変化されます。
「#」のつく音を「i」の音に母音をかえます。「i」に上向きの指向性があるとかで「i」になったんだそうな。
- Do → Di
- Re → Ri
- Fa → Fi
- So → Si
- La → Li
♭の音の母音を変化させる
次は♭にする場合。#と同じく母音を変化させます。
今度は「e」にかえます。こちらも「e」に下向きの指向性があるとかで「e」になったんだそうな。
※例外として「Re」はそのままになってしまうので…
- 「Re」→「Ra」
…とします。
- Re → Ra
- Mi → Me
- So → Se
- La → Le
- Ti →Te
2つをまとめるとこうなります。
RとLの問題
このやり方の問題点は「Re」と「La」母音を変えてしまうと日本人には、どちらがなんなのかわからないということ。(英語のLRが聞き分けられないってやつですね。)
- 「Re → レ」 「Ra → レ♭」「Ri → レ#」
- 「Le → ラ♭」 「La → ラ」「Li →ラ#」
これを「読む時に頭の中でわかっていれば良い」という意見もあるみたいなのですが、同じ音が2つもあったらとっさにどっちかわからない。そもそも臨時記号を分けたいというところからきているので、同じ音があって差別化出来ないのであれば本末転倒では?と感じます。
ドイツ語バージョンもある
ドイツ語でも同じようなものがあります。
ドイツではドレミファソラシドが…
- C(ツェー)
- D(デー)
- E(エー)
- F(エフ)
- G(ゲー)
- A(アー)
- H(ハー)
シがBではなくH(ハー)になっています。
先ほどと同じよう母音が変化します。「#」がついた時は母音が「is」になります。
- Cis(ツィス)
- Dis(ディス)
- Eis(エイス)
- Fis(フィス)
- Gis(ギス)
- Ais(アイス)
- His(ヒス)
「♭」の方も母音を変化。母音を「es」にします。しかし、♭には例外があります。
※EはEs、AはAs、HはB
- Ces(ツェス)
- Des(デス)
- Es(エス)
- Fes(フェス)
- Ges(ゲス)
- As(アス)
- B(べー)
これは意外と便利かも?ドレミではなくアルファベットベースなので、日本人特有の「L」と「R」が聞き取れないという問題がないです。
デメリットとしてはドイツ語のドレミファソラシドを覚え直さないといけないというのと、「ツィス」などとなると日本の感じ方で2音になってしまいます。
もし、ドイツの読み方に慣れているのであればドイツのやり方はおすすめですね。
どういう風に使うか?自分の使い方を決める
ここまで、みていくと日本人に使いやすいようになっているものがないというのがよくわかります。
なので、自分なりにある程度カスタムして使っていくしかないかなーと思います。
自分にとって、”どういうポイントが大事そうか?“を考えてみました。
- 1音にする(ドイツ語のように「ツィス」と2音にしない)
リズムに、ハマらなかったりするので2音にしないのは大事かな?と思います。 - 異名同音は同じ音にしてしまう
僕自身はポップスを主にやってきたので、異名同音(A#/B♭など)は単一の音として扱ってもいいのかな?と考えています。(A#とB♭違うピッチにならない)
使っていけば譜面読む際もそんなに混乱しないかな?と思います。 - なるべく母音を変化させる方向にする
- 人とは共有できないという前提を覚えておく
いろいろやり方があるので、あくまで自分ルールとして使う
説明などする時は「ド#」と説明。
以上の4つになりました。
ここまでくると、「3.なるべく母音を変化させる方向にする」 というのをなしにして最初に作った「ドあレいミファうソえラおシド」でもいい気もします(笑)
さて、以上を踏まえて自分なりの変化方法にすると…
「ド ディ レ メ ミ ファ フィ ソ サ ラ リ シ」
「Do Di Re Me Mi Fa Fi So Sa La Li Si」
…となりました。
「2.異名同音は同じ音にしてしまう」とあるように1パターンのみです。#系と♭系と分けません。
まず、「ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド」は変えませんでした。英語式の「Ti」は使わず、そのままに「Si」に。
基本的には#系の母音を「i」にするというのを使って、同じ音になってしまう「レ#/Re#」「ソ#/So#」2音は違う方法にしました。
「レ#」は「♭ミ」の「メ/Me」に、
「ソ#」は使っていない「a」を使って、「サ/Sa」にしました。
実際にスケールを読んでみる
試しに自分で作った読み方をモードスケールを読んでみました。マイナー系には「ラ」から始めたバージョン。
転回すると他のメジャーキーになるのでそちらものせました。
イオニアン
ドレミファソラシド
ドリアン
ドレメファソラリド
転回してB♭メジャー
リドレメファソラリ
「ラ」から始めたバーション
ラシドレミフィソラ
フリジアン
ドディメファソサリド
転回してA♭メジャー
サリドディメファソス
「ラ」から始めたバーション
ラリドレミファソラ
リディアン
ドレミフィソラシド
転回してGメジャー
ソラシドレミフィソ
ミクソリディアン
ドレミファソラリド
転回してFメジャー
ファソラリドレミファ
エオリアン
ラシドレミファソラ
ロクリアン
ドディメファフィサリ
転回してD♭メジャー
ディメファフィサリド
「ラ」から始めたバーション
ラリドレメファソラ
とりあえずここまで、練習用です。意外と固定ドでキーを覚えるのにいいかも?
まとめ
1音で歌ったりするために母音を変化させる方法、本来の決まりがあるのかもしれませんが日本人に合うように工夫してなんとか使いたいですね。
今回は自分の目的に合わせて#♭を1つにまとめてしまいましたが、#させる意識と♭させる意識で2つ作った方がベターなのかなーと感じました。
ただ、#と♭両方にすると、やっぱりラとレが混乱してしまう…
コメント
半音下げる時は
ドかレきミファくソけラこシド
で暗記する事にしました。
ありがとうございます。
♯
ドがレぎミファぐソげラごシド
♭
ドかレきミファくソけラこシド
こういう記事を探していました。
ありがとうございます。