iOS版の「GarageBand」の音源、「WORLD」について調べてみました。
4つの楽器が選べて、3つが中国の楽器。残りの1つは日本の琴が入っています。
どの楽器も実際の物と近い演奏法を目指しているようです。
それではみていきましょう!
音源を立ち上げる
ブラウザボタンをタップして音源を選ぶ画面を表示します。
画面から4つの楽器を選びます。
- Koto(琴)
- Erhu(二胡)
- Koto(琴)
- Guzheng(古筝<こそう>)
1番大きい部分の「WORLD」を選ぶと、前回立ち上げたか、変更した音源と同じ音源が立ちあがります。
共通の使い方
音色の変更はできない
「WORLD」の音源の楽器は音色を変更することができません。
ナビゲーションボタン「▼」をタップしても音色名が表示されず変更できません。
↓「WORLD」は全ての楽器で変更不可
※他の音源「GUITAR」「KEYBOARD」などの場合は変更できます。
スケール
スケールを選択するとスケール以外の音がなくなり演奏しやすくなります。
まずは「Scale」ボタンをタップします。楽器ごとに少しアイコンが違います。
Scale か 選択中のスケール(メジャー、マイナーなど…)、もしくは 音符のアイコン になっています。
スケールは12種類の中から選びます。
↓選択可能なスケールです。
- メジャー
- メジャーペンタ
- メジャーブルース (P1 M2 m3 M3 P5 M6)
- ミクソリディアン
- クレツマー (P1 m2 M3 P4 P5 m6 m7)
- マイナーペンタ
- マイナーブルース (P1 m3 P4 dim5 P5 m7)
- 日本 (P1 m2 P4 P5 m6)
- マイナー
- ハーモニックマイナー
- ドリアン
- 東南アジア (P1 m2 m3 P5 m6)
元の状態に戻したい場合は一番上の「オフ」を選択します。
コード演奏
画面右上のコントロールボタンをタップすると画面が上にスライドします。
「Chords/Notes」を切り替えるボタンがあり「Chords」に変えると演奏画面が変化して簡単にコード演奏ができるようになります。
コードが横の線で区切られいて、一つの枠に1つの音が割り振られています。縦にスライドさせてコードを演奏することができます。
選ばれるコードの音は楽器によって変わります。それぞれにあった音が自動で選択されるようです。
二胡については縦にスライドすると滑らかに音が繋がりビッチベンドのようになります。
コード編集
デフォルトでは ダイアトニックコード を中心にコードが設定されていますが、自分の使いたいコードにカスタムすることができます。
楽器を演奏する画面で右上の歯車の「設定ボタン」をタップ。「曲の設定」を選びます。
画面がきりかわるので「コードを編集」を選びます。
※通常は「コードを編集」は表示されていません。コード演奏を使用中の時のみ表示されます。
変更したいコードを選んで変更することができます。ベースを選択することが出来て、オンコードを作ることも出来ます。
最初に設定されていた デフォルトのコード に戻したい場合は、左上の「元に戻す」をタップすると、選択中のコードが最初の状態に戻ります。
自動演奏
「Chords」ボタンをONにしてコード演奏を可能にすると「Auto Play」のツマミが表示され、コードごとに自動演奏させることができるようになります。
ツマミを数字に合わせてからコードネームのボタンをタップすると自動演奏が始まります。演奏を止めたい時はもう一度コードネームのボタンをタップします。
ツマミを1、2、3、4、と数字を切り替えると演奏されるパターンが変わります。
他の音源とは違い2本指タップ、3本指タップをしても、演奏のバリエーションは変わりません。
※他の音源では2本、3本でバリエーションが変わる。
それぞれの楽器の使い方
それぞれの楽器の使い方をみていきましょう。
pipa(琵琶)
琵琶は日本、中国、ベトナムなど、いろいろな国にたくさんの種類があります。元々は「ピパ」というそうで日本では「ビワ」という発音になっています。
iOS版の「GarageBand」の琵琶は現代の楽器とも相性がいい中国の琵琶のようです。
各弦の「Scale」を使用しない音域は以下のようになっています。
- D4 – D5
- A3 – A4
- G3 – G4
- D3 – D4
2弦と3弦の間が全音しかないのが特徴的ですね。
トレモロ
画面下の花びらのようなアイコンの領域をタップしながら、指板をタップするとトレモロ演奏が可能です。
右にスワイプするほど細かいトレモロになります。
トレモロ中に弦を強く押し込むと3Dtouchで音が大きくなります。
自動演奏中にもタップすることでトレモロにすることができます。
録音するとノートが個々に打ち込まれる訳ではなく、1つのノートに何かしらのパラメータが追加されるみたいです。
ストローク
画面右側の少し白くなっている部分でストローク演奏をすることができます。
現在押さえている指板の音がなります。ギターのように演奏できるって感じですね。
何も押さえていない状態でスワイプすると…
- A3
- E3
- D2
- A2
…というふうにチューニングされています。
Asus4がなるみたいです。
これは、スケールやキーを変えても固定でこの音が出ます。
また、左側の指板を押さえた瞬間も音が鳴ってしまうので注意が必要です。
スライド
他の弦楽器と同様にタップした後に左右にスワイプすることで隣の弦のノートがなります。
録音後も別のノートになっています。
ベンド
弦をタップした後に上下にスワイプするとベンドをすることが出来ます。
ベンドをすると1音までピッチをあげる事が出来ます。(ピッチを下げる事は出来ません)
ベンドしながら右のストロークの部分をタップすると特徴的な音がでます。
Mac版「Logic」「GarageBand」で開くと?
EXS24の音源として設定されます。
各弦のチャンネルが別になります。
- 1弦 5ch
- 2弦 4ch
- 3弦 3ch
- 4弦 2ch
ベンドはそれぞれの弦のチャンネルのピッチベンドになっていました。
ピッチベンド以外のパラメータは…
- トレモロ : 1ch CC 106「Portamento time」
- トレモロ中の3Dtouch : 1ch 「チャンネルプレッシャー」
…というふうになっていました。
Erhu(アルフ、二胡)
二胡は中国の楽器で弦を弓で擦って音を出します。弦が2つ貼ってあり、内弦と外弦と言います。弦はスチール弦やガット弦を使うみたいです。中国のバイオリンとも言われたりしますね。
「Scale」を使わないでの、チューニングは以下のようになっています。
- A3 – F#4
- D3 – B3
2本の弦のどちらかをタップすると音がなります。弦ごとに1音ではなく、音源で1つの音しか鳴らせません。後にタップされて音が優先されます。
基本的には音はつなげて演奏します。タップした後、そのまま左右にスワイプすると音が滑らかにつながります。
上下にスワイプで音量を操作できます。
「GarageBand」ではいくつかの演奏表現のボタンが用意されています。
- 装飾音
- トリル
- ビブラート
- 馬のいななき
↑上記の4つが使えます。
装飾音
弦を一つ上の音を鳴らして戻す。トリルを一つだけやるようなイメージです。「ドレドー」みたいな感じ。
ボタンを先にタップしながら弦をタップすると音の出がかりが装飾音になります。
弦をタップして音の出ている時に装飾音のボタンをタップすると、弾き直すような演奏なります。
録音すると装飾音をしたノートとしてリージョンが作られます。
トリル
ボタンをタップするとトリルになります。3Dtouchで画面を押し込む強さでトリルの速さを調節します。
押し込むと速くなって、緩めるとゆっくりになります。
アイコンをタップした指でも、弦をタップした指でもどちらを押し込んでも調節することができます。
録音するとトリルをしたノートとしてリージョンが作られます。
ビブラート
画面下の波線のアイコンをタップしてスワイプするとビブラートになります。波線が右になるほどビブラートが大きくなります。
ビブラートのアイコンから指を離してもビブラートは続きます。ビブラートの 基本位置 を決める感じでしょう。ビブラートは3Dtouchで押し込んで調節することもできます。
押し込んだ際に先程書いた 基本位置 から大きくなります。緩めると 基本位置 まで戻ります。
基本位置 を最大にしている場合はそれ以上は大きくなりません。
通常は真ん中より少し下にしておいて、3Dtouchで調節するのがいいかもしれません。
馬のいななき
馬の「ヒヒーン」というような、いななきのようなエフェクトです。
グリッサンドやハーモニクス、ビブラートを使って作る音だそうです。
最初は馬と言われても「?」な状態でした。
「ヒヒーン」というのでピンときました(笑)
実際の曲でも使われていて、中国の伝統曲「賽馬」という曲の最後で演奏されています。
弦と一緒にタップしないと音は出ません。
馬のアイコンだけをタップしても音は出ないので…
馬→弦
…のような順番でタップするといいと思います。
また演奏される音は常に同じのようです。いくつもパターンはないようですね。
録音された 馬のいななきも ノートとして表示されます。
MIDIキーボードを使うと?
ピッチベンドは可能で1音まで。
モジュレーションはビブラートになります。
キーボードでも複数の音を出す事はできません。
Mac版「Logic」「GarageBand」で開くと?
EXS24の音源として設定されます。
「ビブラート」は1ch CC1「モジュレーション」
「装飾音」「トリル」は値として何か設定される訳ではなくノートに変換されます。
「馬のいななき」は1chでノートとして入力されています。
それ以外に1ch の CC85が設定されています。ピッチがが切り替わる際に自動で入力されているようです。主にピッチベンドを使ってノートを移動させるので、自然な音を再現するための処置だと思います。
ノートは基本は2chでいくつも指を使うとチャンネルは増えるようです。
Koto(琴)
日本には「箏(ソウ)」と「琴(キン)」という2つの似た楽器があり、昔から 箏 の方がよく使われていたそうです。箏が常用漢字から外れる際に…
箏 → 琴
…というように表すようになったそうな。
GarageBandに用意されているの「箏」みたいです。
調弦
張られている弦は絹で13本。下の弦になるほどピッチが高くなります。それぞれを1音ずつ調弦します。
もともと、曲に合わせてチューニングを変える楽器です。GarageBandでは「Scale」ボタン1つで変えられるので便利ですね。
黄色い弦が曲のキーの音です。
13弦しかないので調弦のやり方もスケールの音の数によって変わります。
低い方の2音目はカットされています。
5音スケール
6音スケール
7音スケール
また、「C」と「D♭」については一番下の音が曲のキーの音とは変わってしまいます。おそらくそれより下の音が出ないため?かもしれないです。
「Scale」を「オフ」を選択している場合は 曲のキー に合わせたクロマチックスケールになります。
こちらも2音目がカットされています。「C」と「D♭」も変わっていまします。
拡大
拡大すると弦が8本の領域が2つになります。
左右同じ音のものです。iPhoneの場合は両手で演奏できますね。
配置については…
- 上から8弦
- 下から8弦
,,,になっています。
ベンド
タップした後に左右にスワイプするとピッチベンドができます。
ベンドの範囲は1音です。
右にスワイプすると音が 高く なります。
左にスワイプすると音が 低く なります。
交互に動かすとビブラートになります。
トレモロ
画面下のアイコンをタップするとトレモロ演奏をすることができます。
トレモロの速さは調節が可能で右の方をタップ、スワイプするほどトレモロが速くなります。
3D touchに対応しているため、画面を押し込むと音量が大きくなります。押し込むのはトレモロを押さえた指でも、弦を押さえた指でも可能です。
ミュート
画面の左側の部分をタップしながら弦をタップするとミュートした演奏になります。
少しハーモニクスのような高い音になります。
演奏上の注意点
弦をスワイプして演奏することができます。ただし、3Dtouchに対応しているのである程度画面を押し込むような感じでスワイプをしない音がとても小さくなってしまいます。
MIDIキーボードを使うと?
ピッチベンドは可能で1音まで。
モジュレーションはビブラートになります。
Mac版「Logic」「GarageBand」で開くと?EXS24の音源として設定されます。
EXS24の音源として設定されます。
トレモロは 1ch で CC5 の「Portamento Time」になるみたいです。トレモロ使用時の音量変化は1ch 「チャンネルプレッシャー」になっていました。
ミュートはSustainになっているようです。
ノート、ピッチベンドは2chでした。
Guzheng(グーチェン、古筝、こそう)
中国の「箏」で日本では「古筝」と呼びます。弦は12本から26本あるものもあるそうです。スチール弦が主に使われるようです。
操作は琴とほとんど同じですが、弦の数が違うため拡大した時の表示が違っています。琴を読んでいれば 拡大 と 調弦 を確認すればOK。
調弦
GarageBandでは一般的な弦の数とい言われている21本です。
上の弦がピッチが低く。下の弦がピッチが高くなります。
曲のキーになる音の弦は黄色。スケールから4音目の音が緑色になっています。
琴と同じで「C」「D♭」は下の音が変わります。
「Cメジャー」 の場合 …
- ド → 黄色
- ファ → 緑色
スケールによって弦の配列は変わります。
普通は5音のスケールを使うみたいです。GarageBandでは6音、7音のスケールも用意されています。
5音スケール
6音スケール
7音スケール
「Scale」を「オフ」使わない場合は曲のキーに合わせたクロマチックスケールになります。
こちらも「C」「D♭」は音が変わります。
ベンド
タップした後に左右にスワイプするとピッチベンドができます。
ベンドの範囲は1音です。
右にスワイプすると音が 高く なります。
左にスワイプすると音が 低く なります。
交互に動かすと ビブラート になります。
トレモロ
画面下のアイコンをタップするとトレモロ演奏になります。
トレモロの速さは調節可能で右の方にタップ、スワイプするほど速くなります。
3D touchに対応しているため、画面を押し込むと音量が大きくなります。押し込むのはトレモロを押さえた指でも、弦を押さえた指でも可能です。
拡大
画面左右にある「+」をタップすると弦の本数8本ずつに分かれます。
琴とは違って左右で別の配置になっています
それぞれの配置は左から…
- 1本目 から 8本
- 6本目 から 8本
- 9本目 から 8本
- 14本目 から 8本
ミュート
画面左の弦を張っている部分をタップしながら、弦をタップするとミュート演奏になります。
MIDIキーボードを使うと?
ピッチベンドは可能で1音まで。
モジュレーションはビブラートになります。
Mac版「Logic」「GarageBand」で開くと?
EXS24の音源として設定されます。
琴の設定と同じです。トレモロは 1ch で CC5 の「Portamento Time」になるみたいです。トレモロ使用時の音量変化は1ch 「チャンネルプレッシャー」になっていました。
ミュートはSustainになっているようです。
ノート、ピッチベンドは2chでした。
まとめ
「WORLD」の音源は今のところ4種類。どれも弦楽器でした。中国の楽器が3つ、日本の琴が1つ。
専門知識がなくても自動演奏を使えばそれらしいフレーズが作れそうです。
また古筝と琴は調弦が大変そうなので、ちょっと曲で試したいという人には GarageBand を使ってみるのもいいかもしれません。
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