iOS版のGarageBandはピアノやギター、コード演奏もできる「Touch instrument」がとても優秀でiPhoneだけでの演奏がやりやすいです。
ただし、ピアノロールなどでの打ち込みはどうなのか?ちょっと気になりますよね。
この記事ではGarageBandの打ち込みについて調べてみました。
GarageBand記事一覧はこちら
iOS版GarageBandのリージョン操作
まずは打ち込みをするにあたり必要なリージョンについてみていきましょう。
リージョンの種類
リージョンはトラックの種類によって変わってきます。
トラックの種類は大きく分けて3つ。リージョンの色によって種類が違います。
- 緑のリージョン → 音源のトラック
- 青いリージョン → オーディオトラック
- 黄色のトラック → Drummerトラック
iOS版のGarageBand打ち込みは音源のトラックでしか打ち込む事が出来ません。
※Drummerトラックはドラムを自動演奏するトラックです。iOSで作ったプロジェクトファイルを“Logic”で開いてMIDIに変更して編集することはできます。GarageBand内では編集できません。
リージョンの移動
次はリージョンの移動について。
タップしてドラッグすれば上下左右に動かす事ができます。
音源トラックは、オーディオトラック、Drummerトラックに動かすことはできません。
しかし別の種類のTouch instrument音源には移動させる事ができません。
つまり、“他の楽器には演奏データを共有できない”という事です。
リージョンを別のカテゴリーのトラックに動かそうとすると表示が出て動かす事ができません。
ここまで、ルールとしては2つ。
- 別の色のリージョントラックには動かせない
- 同じ色でも別のカテゴリーの楽器には動かせない
ただし「Keyboard」には元々たくさんの種類の楽器が入っているため、リージョンを共有する事ができます。
あとで“楽器自体を変えたい”という時には「Keyboard」から楽器を選択しておきましょう。
リージョンを伸ばす
リージョンの端をタップしてスワイプすればリージョンを伸ばすことができます。
ループされてたリージョンも同じ方法で短くできます。
リージョンが重なった場合は?
リージョンを移動させた際、重なるように上に乗せた場合、下のリージョンは短くなります。
しかし、演奏データ自体が消えた訳ではないので再びリージョンを伸ばす元通りにできます。
リージョンのプレビュー
3Dtouchが対応している場合は、リージョンをタップ後に押し込むとそのリージョンだけがループして再生されます。
リージョンのメニュー
リージョンをタップすると選択できます。
リージョンのないところからスワイプで“範囲選択”ができます。
選択後に、さらにもう1度タップする事でメニューが表示されます。
- カット
リージョンをカット、そのリージョンが無くなります。クリップボードに保存されるので、ペーストをすれば、再びそのリージョンを使う事ができます。 - コピー
選択中のリージョンをコピーします。ペーストで再びそのリージョンを使う事ができます。 - ペースト
コピー、カットしたリージョンをルーラー(再生位置)に配置します。ペーストされるトラックはタップした位置のトラックです。複数のトラックをコピー、カットした場合は元のトラックにペーストされます。 - 削除
選択中のトラックを削除します。 - テイク
マルチテイク録音がオンで録音したリージョンのみ選択可能。録音したテイクを変更できます。
- ループ
選択中のリージョンをループさせます。
ループの範囲の初期設定は、次のリージョン、セクションの頭まで。 - 分割
タップした位置にハサミのマークが現れます。これをリージョンの下までスワイプすると、リージョンを分割する事ができます。
- 統合
複数のリージョンを選択時のみ可能。選択中のリージョンをひとつにまとめます。 - 編集
ピアノロールの画面に切り替えて、演奏データを編集できます。 - 名前を変更
リージョンの名前を変更できます。 - 設定
リージョン個々の設定を変える事ができます。
リージョンの設定
リージョンのメニューから開きます。
選択されたリージョンの中の設定が変わります。
Velocity
リージョン内の全てのノートのVelocityが + – された分だけ変化します。
ループ
選択中のリージョンをループさせます。
クオンタイズ
これは録音、編集したノートに対してクオンタイズをかけます。
後から追加、変更したものに関しては適応されません。その場合は再びクオンタイズを選択すると適応されます。
- 1/4
- 1/8
- 1/16
- 1/32
- 1/64
「3連」や、「スウィング」なども選択できます。
トランスポーズ
トランスポーズするとリージョン内の全てのノートのピッチが変わります。
「Drums」「Guitar」などの一部の楽器で使用不可です。
トランスポーズすると出音は変化しますが、ピアノロールでの表示は変わりません。
つまりAの音が打ち込まれていて、トラックにより+4トランスポーズするとCの音がなります。ですがピアノロールの表示では、そのままAになっています。
スピード
リージョン自体のスピードが数字だけ倍になります。
セクションに入りきらない場合はカットされます。
- 4x
- 2x
- 1x
- 1/2x
- 1/4x
逆再生
ノートの位置がリージョンないで反対になります。オーディオ的な逆再生のような変化はありません。
すべてをリセット
設定されてたデータを全てリセットできます。
リージョンの作成・編集
リージョンの作成はリージョンのない場所をタップして、表示されるメニューの「編集」を選択します。
ピアノロールの画面に切り替わるので、画面左上のペンツールをONにします。
ピアノロール上をタップするとノートが作られると同時にリージョンも作成されます。
この時、作成されるリージョン名はトラックの名前と同じになります。
また、リージョンの長さは入力されたノートの小節内になっています。別の小節にノートを打ち込むと別のリージョンが作成されます。
このように1小節ごとにリージョンができてしまった場合、扱いにくいので1度、「完了」で画面をトラック表示に戻して統合します。
まとめて選択して統合…
このような作業は面倒なので、新たにリージョンを作成する場合は1つノートを書いて、その後に画面を戻してから事前にリージョンを長くしておくと便利です。
iOS版GarageBandの打ち込み方法
ピアノロールで打ち込む
リージョンのメニューから「編集」を選んで、ピアノロールに画面を切り替えます。
鍵盤
画面左の鍵盤部分をタップする事で、音をプレビューして確認する事ができます。
鍵盤の表示は選択する音源によって変わります。また、楽器によって演奏できない範囲は表示されません。
「Guitar」は低い音域がコード演奏できるようになっているものもあります。ほとんどの場合はメジャーコードですが、パワーコードになっている場合もあります。
「Drums」では鍵盤が各楽器のイラストに変更されます。打ち込み時に確認するには便利ですね。
拡大とグリッド
2本指でピンチイン、ピンチアウトすると、画面を“拡大/縮小”する事ができます。
この時、画面上のグリッド値も変化します。
グリッド値はノートを“動かす時”、”伸ばす時”などに、このグリッドに沿って動きます。
拡大するほど、1つのグリッドの範囲は細かく、
縮小するほど、1つのグリッドの範囲は大きくなります。
つまり、より細かくリズム編集をしたい時は、“画面を拡大して”操作しなければなりません。
入力選択時にノートをロングタップすることでも自動で拡大されます。
ノートメニュー
ノートをタップすると選択する事ができます。選択すると自動で、メニューが表示されます。
- カット
ノートを削除します。削除したノートはクリップボードに一時的に保存されます。 - コピー
選択したノートをコピーします。 - ペースト
“カット”、“コピー”したノートをルーラー(再生位置)に貼り付けます。
ペーストする場所にリージョンがない場合は新規にリージョンが追加されます。 - 削除
ノートを削除します。 - Velocity
音を出す強さ。選択後スライダーを操作する。
通常は大きくすると音量も大きく、楽器を強く弾いた音源に、小さくすると音量は小さく、弱く弾いた音源になる。
ピアノロールで打ち込んだ際のデフォルト値は100になっています。 - 詳細
「音源」「アーティキュレーション」から選ぶ。 - 音源
Stringsのみ
使用する楽器を選びます。
「第1バイオリン」
「第2バイオリン」
「ビオラ」
「チェロ」
「ベース」 - アーティキュレーション
Strings、琴(Koto)、古筝(Guzheng)のみ
演奏表現を変える。楽器によって選べるものが違う。
ノートの移動
ノートをタップしたまま動かせば、“リズム”と“ピッチ”を変える事ができます。
ノートの長さを変えたい場合は選択した状態でノートの左端をスワイプする事で長さを調節できます。
左右に動かす際は”グリッドに沿って”移動します
ノートの移動や長さの調節も、“リージョンの範囲内まで”しかできません。
つまり、表示されていてもリージョン間の移動はできません。
なので、あらかじめ“リージョンを統合”してしまっておいてもいいかもしれません。
ノートの選択
ノートをタップすれば1つのノートが選択できます。
何もない場所をタップすると「すべて選択」する事ができます。これは1つのリージョン内だけでなく、選択中のトラックのセクション内すべてのノートを選択します。
特定の範囲を選択したい場合は、何もない場所をタップしたままスワイプして選択範囲を広げて選びます。
ペンツール
画面左上のペンのボタンを右にスライドするとノートを書き込むモードになります。
タップで目的のピッチにノートが追加されます。
もう一度タップすると、ノートが削除されます。
このモードで、できないことは、“ノートの選択”です。
メニューを使いたい時、まとめてノートを選択したい場合などは、1度ペンツールをOFFにして下さい。
追加パラメータ
特定の楽器のみ、画面下でパラメータを入力する事ができます。
ノートのようなものが打ち込まれている範囲はそのパラメータがONに、何もない場所はOFFになっています。
入力方法はノートと同じでペンツールをONにして入力します。
楽器によってパラメータは違います。
- SUSTAIN
「Keyboard」 - Rotation
一部のオルガン楽器 - Muto
「Guitar」「琴(Koto)」「古筝(Guzheng)」
セクションの移動
iOS版のGarageBandでは曲セクション(指定の小節数により)区切られています。
ピアノロールの画面でも、セクションを移動する事ができます。
画面を左右どちらかにスワイプをしつづけます。すると画面に矢印とセクション名が表示されて、次のセクションをに移る事ができます。
まとめ
ピアノロールに関してはGarageBandは若干、打ち込みづらいですね。
- なにをするにも1操作必要(メニュータップなど…)
- ビブラートやピッチペンドなども後から編集できない
- ノートのリージョン間の移動が不可
- リージョン自体の共有ができない。
“打ち込み”ということには正直向いていないと思います。iPhoneの音源で演奏したものを編集するということが前提に感じます。
Appleループなどのループ素材や自動演奏などが充実しているので、クイックにアイディアを形にするためのアプリなんだな、と感じました。
コメント